カレンのビューティーBlog

業績を急速に伸ばした影の立役者

2011.02.24

バイヤーに抜擢されたなかでも、インターナショナルギャラリービームスレディスの立ち上げを昨年手がけ、現在、レディス部門全体を統括するクリエイティブディレクター南馬越一義のケースは、その新しいビームスを象徴する存在だったといえるだろう。今やサブカルチャーの論客としてメディアでも引っ張りだこの南馬越(通称マゴさん)は、それまで、どちらかといえばメンズのイメージが強かったビームスのレディス部門で、90年代業績を急速に伸ばした影の立役者で、広告の新しい試みとして、あの『ヅイジョネア』の初のファッション業界とのコラボレーションとなる特別号を仕掛けたり、NYのADC賞を受賞したマガジンを手がけるなど、ビームスの新しいイメージを確立した、名バイヤーである。しかし、現ビームス社長がバイヤーに抜擢するまで、南馬越は、レイの店長を務める販売のプロではあったが、バイイング経験はゼロのズブの素人。そればかりか、海外渡航経験も社員旅行で行ったグァムだけという、少々、頼りないキャリアの持ち主であった。抜擢された本人も、なにから手をつけていいかわからず、ただただ無我夢中だったという。「僕に出来ることは、それまでの僕の上司が買ってきて、これまで店で売ってきた経験を活かすしかなかったので、それまでのラインナップで売れ筋を思い浮かべながら、バイイングに臨みました。でも、結果はもう惨敗で(笑)売り上げも、大幅に落ち込ませてしまったんです。情けなくて、途方に暮れて、一時は半分出社拒否のようになってしまいました。もう会社を辞めようって本気で考えたのもその頃です」しかし、このままでは終われない。低迷する売り上げを前にして、南馬越は、ある決意をする。「他人のマネ、後追いをしても悔いが残るだけだ。これからは、自分の勘を信じよう。売れるとか売れてるじゃなく、自分がいいと思える新しい才能を自分の目だけを頼りに、買い付けよう。それで、ダメなら、自分の力量がなかったと諦め、潔く辞めればいいじゃないか」元々、『ポパイ』より、『宝島』や『ロッキングオン』を愛読していた、音楽、サブカルチャー好きの南馬越は、ビームスに入ったのも尊敬していた栗野氏と客として音楽、アート、映画などの話をしているうちに誘われたという経緯があった。