ゴルフを通して一対一のマッチプレーをとことんやらせ、勝ち負けの世界に投じさせました。当初は負けても照れ笑いでしたが、負けて悔しい、今度は勝つんだという意欲が出てくるようになったのです。E君はみるみる成長していき、勝負事にこだわりはじめてから暗い雰囲気は一切なくなって、動作に機敏さが出て、あれほど気にしていたくせ毛の髪も自然と手で触らなくなっていました。しばらくして、何を思ったのかE君は丸坊主にし、私に「先生、気合を入れてきました。勝負に勝つには少しでも雰囲気を出したいと思って」と話しました。ちょっと方向が違うなと私も苦笑いしてしまいましたが、彼が自分なりに「強くなる」という意思が形になって現れた瞬間で、「もうこれで今までのE君は卒業した」と感じ、うれしくもありました。ここまで来ると最後の総仕上げでさらなる意欲と「強さの追求」を叩き込むだけになります。
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