ある国、ある民族の文化をほんとうに理解するためには、言語もそうだが、お互いの文化的相違を客観的に見極め、それを認め合う態度がなにより大切だ。それでこそ、興味本位のエピソードや間違った情報に惑わされないですむことになる。他国の文化を理解しようとするとき、私たちに必要なことは、彼らが朝起きてまず何をし、会社でどんな会話を交わし、会議ではどんな議論が出て、昼食はどこでどんなものを食べるのかといった、ごくささいな、ありふれた日常生活の姿だ。その具体的な事実を通じて、彼らの文化の普遍性を知ることができる。するとどんな国でも、人間の思考や行動にそれほど大きな違いはないことがわかってくるはずである。たとえば欧米においても、だれもいない夜道では信号が守られないし、男女がはじめて会うときにはぎごちなさと喜びがあり、子どもに対する親の期待、都会におけるドライな人間関係と農村における情感あふれる近所づきあいなどは存在するのだ。
(参考)
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