言われて初めて気づくということが、けっこうあるものだ。不動産業界がおかしい、後れているなんていうことも、その一つである。宝石、高級時計、自動車といったものを買うとき、われわれは胸を弾ませる。高価なものを買うのだから、店の人の対応もとびきり親切で自尊心も満足させられる。ところが、それよりもさらに高価な家を買うとなると、以物を楽しむどころか、自尊心をズタズタにされることもめずらしくないのである。おかしな話である。
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「不動産会社にどんなイメージを持っていますか」インタビュアーの質問に対して、街を行く人々が答える。「なんか、騙されるんじゃないか、という感じがしますね。うさんくさいというか」「目上の人から言われているようで怖いですね」「裏がありそうで、信用しきれない感じがします」「なんとなく、なんか悪いことをしてそうな……」社会の根幹とも言える事業に対して、このイメージの悪さはひどい。これほどダーティーなイメージが染み付いている業界は他にない。一番の理由は業界の近代化が後れていることにある。このため、良心的な対応をしていても消費者にとっては、偉そうな顔をしたおじさんにメガネの奥からじっと見詰められ、専門知識を盾にいいように言い含められてしまう、というような印象がぬぐえない。事実、嫌な経験をした消費者が少なからずいる。これは業界と消費者の双方にとって不幸なことだ。